UP.Linkプラットフォーム(図1-1)とは、データ通信が可能な携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)からワイヤレスネットワークに接続し、さまざまなインターネットサービスや他のネットワークサービスを安全に利用することを可能にする環境である。本マニュアルでは、このような機能を備えたハンドヘルドデバイスをUP.Phoneと呼ぶ。
UP.Phoneは、コンピュータに搭載されたWebブラウザとよく似た方法で利用することができる。ユーザーはキーを押してURLを指定し、情報を表示する。ただし、WebブラウザはHTML(Hypertext Markup Language)を使用してコンピュータの画面に情報を表示するが、UP.PhoneはWML(Wireless Markup Language)を使用して情報を表示する。WMLとは、小型のハンドヘルドデバイスにおける情報の表示を可能にする目的で、WAP(Wireless Application Protocol)フォーラム1によって開発されたオープンな記述言語である。HTMLと同様に、WMLはタグを利用する記述言語であり、テキストやイメージの表示、データの入力、フォームをサポートしている。
UP.Phoneは、既存のワイヤレスネットワークのデータ機能を使用して、ユーザーのリクエストをUP.Link Serverに送る。UP.Link Serverは受信したリクエストをHTTP(Hypertext Transport Protocol)リクエストに変換し、インターネットを利用して送る。送信先のサービスが情報を返信すると、UP.Link Serverはその情報を受け取り、UP.Phoneに転送する。
UP.Linkプラットフォームの中核をなすのが、UP.Link Serverである。UP.Link ServerはUP.PhoneのHTTPプロキシとして働くため、UP.PhoneからWWW上のどのサイトにもアクセスすることができる。コンテンツプロバイダーの中には、UP.Phoneのインターフェースを活かすために、WMLを使用してWMLサービスを提供するプロバイダーもいる。WMLサービスでは、情報をUP.Link Serverに「プッシュ」して(送りつけて)、通信を開始することもできる。この場合、UP.Link Serverは受け取った情報をUP.Phoneに転送する。このプロセスは、ノーティフィケーションと呼ばれる。
UP.Link ServerはHTMLの変換だけでなく、他のさまざまなサービスを提供する。たとえば、UP.Phoneとそのアクセス権のデータベースを保持し、情報の門番の役割を果たすことができる。また、オプションのFAX送信サービスを提供することもできる。UP.Phoneのユーザーはこのサービスを利用して、Webサイトのコンテンツ(テキストファイル、Microsoft Wordのファイル、Postscript形式のファイルなど)をローカルなFAXマシンに送り、出力することができる。また、管理者はUP.Link Serverの設定パラメータを使用して、監視やトランザクションの記録を行うことができる。